ダンボール「鳥居」製作記録
鳥居の製作記録を綴っていこうと思います。
発表日 :2018年8月16日
製作期間 :2ヶ月
材料費 :?
素材 :ダンボール、接着剤
幅 :約31cm
奥行 :約39cm
高さ :約23cm
諸元
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経緯
もともと作品自体はダンボール技術の総集編ということで、自分が持っている加工技術をたくさん詰め込みました。加工要素を意図的に詰め込んだ腕試し的な意味が大きく、実力を測ろうという思惑がありました。
直線カット、曲線カット、円カット、円筒斜面カット、折り、曲げ、複合曲げ、円筒、面貼合わせ、直角突き合わせ、鈍角突き合わせ、ダン目隠し、研磨、角穴…等々。一つ一つのノウハウを改めて蓄積し、今後の作品作りに役立てようと思いました。
特別今までと変わったことはしていません。強いて言うなら、細かい土パーツでしょうか。ひたすら千切りにしたダンボールの皮をハサミでみじん切りにし、土台に撒いて水で薄めた木工ボンドで固める、という鬼のような作業、作業、作業。鳥居本体より時間がかかりました。
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動画について
もともとの完成予定時期は2018年元旦で、あけおめツイートに向けて製作していました。無事にツイートは完了したものの、動画として投稿するまでには8か月の期間が開いてしまいました。というのもこの作品を作る前にとある動画に触発されて、今までとは違った動画にしようと意気込んだは良いものの、なかなか完成が見えなかった…といった次第です。
その触発された動画というのがこちら。
PESfilmさんの作品で、ストップモーションで繰り広げる映像はもちろんのこと、特に気になったのは音の心地よさでした。世間では「音フェチ」なる趣向があるようで、どうやら私もこちらの動画でこの感覚に気づいてしまったようです。
こちらの動画が私の作品にどう影響したかといいますと…
BGMを鳴らさずに、作業の音だけを高音質で動画に載せ、淡々と完成していく作品を紹介できたら(一部の音フェチマニアに刺され!)おもしろいのでは?という発想に繋がりました。
技術部動画はどうしても映像主体になりがちですが、映像作品としては音も同じくらい重要です。BGMの大切さが分かる動画、なるものがありますが、まさにあれです。今回は音主体で動画を編集しました。
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製作開始
普段は音楽やニコニコ生放送を聴きながら作業をしているので、なかなか作業の音を高音質で録音することなどありませんでしたので、ノウハウがありませんでした。BGMを聴きながら作業しないと退屈ですし、録音の度に冷蔵庫や冷房などの家電を止めるのは毎日の作業効率が落ちてしまいます。
そこで、とりあえず作品だけを先に完成させ、音は別録りで後から録音しようと考えました。これがのちに大変なことになるとは知らずに…
とりあえず出来上がった動画をご覧ください。
PESさんには及びませんが、音がいつもと違う事にきづかれましたか?
私は音声編集は門外漢なので素人が見様見真似で作った感がありますが、技術部動画の試みとしてはアリだと思います。個人的には満足です。
録音に使用したPCMレコーダー。普段は三線の音を録音しています。
ただし、音声を別録りにしたのは、半分失敗でした。
一言で言うと、本当に面倒でした。録音するために同じパーツをもう1個作らなければならず、実質作業量としては1.5倍くらいかかりました。また、せっかく録ったのに音が悪くて使えないシーンも多数発生し、音の撮り直しを何度も繰り返しました。
というわけで、基本的にはビデオカメラにPCMレコーダーを接続するのが一番効率的ですね。録音に失敗した箇所や、こだわりたい箇所にのみ音声の別録りを行う方法が良さそうです。
それにしても…今回ほど作品より動画編集の方が大変だったことも、あまりないですね。
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~紙一重~ 現代紙工芸選抜展への出展&受賞
展示会場。B.B.Korryさんや胡桃木さん等おなじみのメンバーと一緒に出展。
今回の作品は自分の持てるダンボール加工技術のほぼ全てを使って製作しただけあり、コンクール向きの作品となりました。お誘いを受けてフラッグ・ギンザ・ギャラリー様(銀座ですよGINZA!)で開催された”~紙一重~ 現代紙工芸選抜展”へ出展し、ダンボールの多彩な使用方法を評価され「ダンボール賞」を受賞するに至りました。このときの作品名は「石畳と鳥居」でした。作業量からして石畳&土の方が圧倒的に大変ということもありますが、鳥居の構造よりも土の表現の方がコンテスト的に評価ポイントかと考えてのことです。吉と出たか凶と出たかは分かりませんが…。
このように分解して運べるので、他のイベントにも持って行きやすそうです。