ダンボール「パンジャンドラム」製作記録
パンジャンドラムの製作記録を綴っていこうと思います。
発表日 :2018年5月13日
製作期間 :2日
材料費 :800円(Nintendo switch含まず)
素材 :ダンボール、接着剤
高さ(直径) :約20cm
幅 :約12cm
諸元
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ニンテンドーラボ
ニンテンドーラボ、凄いです。最初は子供向けかと思ってあまり気にしていなかったのですが、これはダンボールを被った技術者養成キットですね。
最初に驚いたのは、コントローラーの振動で操作するラジコンです。「そこに動力源があったかっ!」という驚きと、振動を制御できる驚きですね。これで前進するなんて…しかも左右の操作が利くなんて…。
ニンテンドーラボ「リモコンカー」
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なぜパンジャンドラムなのか?
ニンテンドーラボに触発されて、オリジナルのニンテンドーラボを作ってみようと考えました。そこでパンジャンドラムの製作を決めたわけですが、理由としては次の通りです。
1.振動から回転運動を取り出すことに挑戦してみたかった
2.「リモコンカー」のコントロールソフトウェアを流用したかった
3.「前進のみ」の機構がパンジャンドラムに合っていた
4.制御不能だったパンジャンドラムを操作できるようにしたら、面白いから
5.パンジャンドラムを知らなくても面白さが分かるから(車輪が動いてたらなんか不思議)
というような理由(打算?)がありまして、パンジャンドラムの製作を決めました。
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製作開始
今回は全面的にレーザー加工機を活用する方針で、極力手加工の部品を作らないように心がけました。量産するかもしれないと考えたので…いや、しないと思うんですけど。
設計図(加工図)の一部
レーザー加工が済んだダンボール
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ベアリングの取り付け
使用したベアリング
実物のパンジャンドラムの構造は、単純なボビンのような形をしていますが、今回は左右に旋回できるようにするため、左右の車輪が独立して動く必要がありました。この左右の車輪を唯一繋ぐ回転軸に、ベアリングを使用しました。3mm軸、外形7mmに対応しています。これに竹ひごを通して軸としています。本当ならもう少し太い軸とベアリングを使うべきですが、持ち合わせがなかったので仕方がありません。最低でも軸径5mmは欲しいですね。
ダンボールパンジャンドラム
筒状の部品中央にある切れ目を境に分割しており、左右独立して回転します。
ダンボールパンジャンドラム
さて、ここからが肝です。Nintendo switchのJoy-Conを搭載し、振動を回転運動に変換する機構を製作します。ニコニコ動画やYoutubeではカットしていますが、この形になるまで何度か試行錯誤しております。
振動を回転力にする部品。これにJoy-Conを差して振動させる。
Joy-Con固定方法はNintendo Laboを参考にしました。写真ではピッタリと差し込まれていますが、実は固定を少し緩めにしたほうがより振動し、回転力が生まれます。この画像のあとにJoy-Con周辺のダンボールを少し潰し、ガタが出るように調整しています。Nintendo Laboをよく見ると、固定部に溝が入っていたり少し心許ない感じだったりと、そのあたりも織り込み済みのようです。Nintendoの技術者も、苦労したんでしょうね。
Joy-Conの差し込み。ピッタリすぎてもダメ。
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完成
ダンボールパンジャンドラム(Joy-Con搭載)
横から見ると回転機構が目立ちますが、必要な強度なのであまり削れないです。Joy-Conもダンボールから見れば結構な重量でして。一応目立たないよう円形を基調としたデザインにはしています。縦方向の荷重よりも、パンジャンドラムが旋回した時の横方向の荷重の方が問題で、試行錯誤の段階で横方向のステーを追加しています。パンジャンドラム円盤部分の可動部をベアリングにしておいて正解でした。ただの滑り軸だったらもっと誤差が出ていたことでしょう。
横から見たダンボールパンジャンドラム(Joy-Con搭載)
肝心な走りですが、平地は問題なく走れました。カーペット上も、旋回性能が劣るものの、まあまあ走れました。ここは回転機構&大径車輪の強みですね。
カーペット上を走るダンボールパンジャンドラム
スラロームも、少し練習すれば難なく通過できるほど、微調整が利きます。(パンジャンドラムとは…?)速さと破壊力を犠牲に、コントロールを得ました。
スラロームを楽々クリアするダンボールパンジャンドラム
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あとがき
この作品を作ろうと思いたった時、Nintendo switchもLaboも持っていませんでした。完全に衝動買いだったため、パンジャンドラムが動かなかったときは焦りました。4万円相当ですからね、折角買ったのに!と思いましたが、あとに引けない状態が良いものを作り出すこともあります…ええ、頑張りましたよ…。結果的には何とか回転させることができ、予想通りの動力性能(旋回能力は予想以上)を発揮でき、満足いく結果となりました。
最近衝動的に作品を作ることがなくなっていましたが、この作品は思いついてから完成まで2日程度と、かなりの突貫工事で進めるほど意欲的に取り組めました。徹夜で作って、夜中の3時過ぎにパンジャンドラム初回転、喜びのあまり少し遊んで、そこからスラロームの動画の撮影が朝5時、休憩を入れずにそのまま動画の編集作業に入り、10時頃に投稿。何に急かされていたのでしょうね?
動画の方のあとがきにも話していますが、ニンテンドーラボはダンボールのキットと思われがちですが、ソフトウェアの実用性が高くて、いろいろと遊べます。完全に技術者養成キットです。無線で使える入出力ユニット2つを、タッチパネルで操作できるソフトウェア付きの開発環境、という捉え方ですね。回転運動を取り出せたので、動力ユニットとしての用途も期待できるようになりました。ダンボールでも電子工作ができてしまう、単純な開発環境…!これを待ってました!
単純な作品にハイテクを組み合わせて、新しい楽しさへ。夢が広がりますね~!
まさにLabo。
皆さんもオリジナルのNintendo Laboを製作して、遊んでみてはいかがでしょう?